俺は一人で何もできない。浪人して大学生になって、もう今年で20歳になるというのに。進路とか、自己紹介とかで将来を考えたとき、俺には何の個性も思い浮かばない。 今までなにをしてきたのだろうか。
小学校
小学校に入ったとき、親に言われて地元のソフトボールチームに所属した。そこは子供会で運営していたこともあり、練習量は少なかったし、人数も少なくて、いわゆる弱小チームだった。その中でも体が小さく、運動神経が悪い俺は、高学年になっても満足のいく結果を残せなかった。そんな感じでだらだらと小学校生活を過ごした。他に小学校で経験したことは特に覚えていない。人見知りで友達が少なかったし、他に習い事をしていたとかもない。
中学校
中学校に入り、そのタイミングで引っ越ししたこともあり、全く知らない人との出会いから、さらに人見知りになった。部活は野球部に所属した。小学校での経験が野球しかないからだ。他にやりたいこともなく、自動的にそうなった。
ある程度は勉強ができて、真面目だったからか先生からの信頼はあった。でも世間でいう陰キャの部類で人と関わることが苦手だった。自分が多汗症なこともあって、常に周りの目を気にしながら、生活していた。
それでも野球は必死に頑張って、３年の時にはついにキャプテンにまでなった。チームとしては結果を残せなかったけど、それなりに楽しかった。
部活が終わり、いざ進路を考えるとき、自分で行きたい高校を決めることができなかった。頭は良かったからある程度の選択肢はあったが、やりたいことがわからなかった。自分は何が出来て、何がしたい。考えても考えても思い浮かばなかった。
その結果、先生に言われた地元のそこそこ賢い高校にいくことになった。
高校
高校でもやはり、野球部に入った。もうそれしかやることがなかったからだ。自分にできることは野球だけだと思っていた。しかし、高校の野球部は外部のクラブチームから入ってくる人がいたりして、自分の下手くそ具合をはっきりと分からされた。それによって自分の唯一のとりえである野球を失った。もちろん努力して上手くなれば良かったけど、やる気を持って入部したわけじゃなかったし、踏ん張る根性もなかった。それからしばらくして、退部した。自分の目の前の現実から逃げ出した。
それからというものは、もう何もやることもなく、気力もなくなってしまった。適当に授業を受けて、学校から早く帰ってきて、ゲームかyoutubeをみる毎日だった。それに加えて、中学校では勉強ができたけど、高校になると内容がむずかしくなり、ついていけなくなった。時間はあるのに何もしなかった。
３年生になって大学受験がはじまった。周りは勉強を頑張っていたけど俺は頑張れなかった。やらなければならないことはわかっていたけどやらなかった。そのまま受験直前になり、焦りだけ募り、人のせいにしては自分の目の前の現実から逃げた。
当たり前に受験本番何もすることができず、受けた大学は全落ちした。それでも悔しいとか後悔とかなかった。なにも頑張っていなかったからだ。なにもやりたいことはないし、行きたい大学もない。
そんな俺に母親が、予備校代を出してくれた。裕福じゃなくて、片親で兄弟がいるのに。浪人を決めたのも母親だった。俺は予備校は行かずに家で勉強すると言ったけど、俺を心配して、お金を出すから行きなさいと言われ、予備校に行くことになった。
さすがに申し訳なかった。絶対今度は受かってやると思った。でもやっぱりやる気が無かったし、根性もなかった。
そのままずるずると適当に過ごす日々が続いた。結果としては、第一志望に落ち、私立の滑り止めに行くことになった。申し訳ないと思いつつ、自分は何もしなかった。
そして今に至る
自分で決めて行動したことが一度もないのである。
当たり前のように人に決めてもらって、当たり前のように人のせいにする。自分の個性なんかあるはずがない。自分ひとりで出来ることなんかあるはずがない。
大学生になり周りを見ると、俺とは全然違う。みんな「自分」を持っていて、ずいぶん大人に見える。自分が恥ずかしく思えてきた。
このままだらだらなんもせず、生きていくのか
嫌だ。本気で変わりたい。マジで変わりたい。そう思った。
【絶対成功する大学生】
今までの自分を変えるために挑戦して努力して、自分自身をつくりあげる。絶対成功する。身体的に精神的に成長して、自分の責任で人生を生きていく。もう二度と目の前の現実から逃げ出さない。本気で自分を変えるために。
皆さんどうでしたか？
